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ChatGPTモデル選択ガイド2026年版 — Sol・Terra・Lunaと推論レベルの使い分け

ChatGPTのGPT-5.6世代で導入されたSol/Terra/Lunaの3モデル層と、low〜ultraの推論レベルを機能・プランの観点で整理。旧Instant/Thinking/Proからの移行点と用途別の選択基準を解説する。

| 約13分 |
GPT-5.6の3モデル層を縦3カラムで比較したインフォグラフィック。左のSolは「最高性能」をトロフィーで、中央のTerraは「バランス型」を天秤とデフォルトのチェックマークで、右のLunaは「最速・最安」を稲妻で表し、下部に三差路で迷う人物と推論レベル(LOW〜ULTRA)の帯を配置している。

ChatGPTのモデル選択は、2026年7月に大きく変わった。OpenAIは2026年7月13日にGPT-5.6を一般提供開始し、それまでの「Instant/Thinking/Pro」というモード表記に代わって、Sol・Terra・Lunaという3つの名前付きモデル層が導入された。加えて、どれだけ深く考えさせるかを指定する推論レベル(low〜ultra)が独立した軸として整理されている。

本記事は、ChatGPT入門ガイド2026年版のモデル体系セクションを掘り下げる記事である。3つのモデル層の違いと使い分け、推論レベルの考え方、プランとの対応、そして旧「Instant/Thinking/Pro(GPT-5.5世代)」からの移行点を整理する。読了後、モデルを選ぶたびに迷わなくなるというのが本記事のゴールだ。

3つのモデル層で何が変わるのか — まず結論を押さえる

結論から言えば、Sol・Terra・Lunaは「性能とコストのどこに軸足を置くか」で分かれる3つのモデル層である。番号(5.6)が世代を示し、Sol/Terra/Lunaはそれぞれ独自のペースで進化していく継続的なラインだと、OpenAIは説明している。

モデル層位置づけ代表的な用途
GPT-5.6 Solフラッグシップ。コーディング・知的作業・科学などで最先端の性能難度の高い分析・設計・専門調査
GPT-5.6 Terra日常業務向けのバランス型。GPT-5.5に匹敵する性能を低コストで要約・下書き・一般的な調べもの
GPT-5.6 Luna最速・最低コスト大量処理・軽量タスク・高速応答

さらに、Pro/Enterpriseプランでは、複雑なタスクで特に高品質な結果を狙う最上位設定として GPT-5.6 Sol Pro を選べる。

もうひとつの重要な軸が推論レベルだ。これは「どのモデルか」とは別に、「どれだけ時間と計算をかけて考えさせるか」を指定する。

  • low / medium / high / xhigh — 推論の深さを段階的に上げる
  • maxxhighよりさらに多くの時間をかけ、推論・代替案の検討・検証・見直しを行う
  • ultra — さらに一歩進み、既定で4つのエージェントを並列に連携させる。トークン消費が増える代わりに、負荷の高いタスクでより高品質な結果を短時間で得られる

つまり2026年7月以降は、「Sol / Terra / Luna のどれで」×「どの推論レベルで」という2軸で考えるのが実用的だ。次のセクションから、それぞれを詳しく見ていく。

Sol・Terra・Lunaそれぞれの特性と適したタスク

3つのモデル層は「性能とコストのバランス」で性格が分かれる。それぞれを掘り下げる。

GPT-5.6 Sol — フラッグシップ

Solは、OpenAIがフラッグシップと位置づける最高性能モデルだ。コーディング、知的作業、サイバーセキュリティ、科学の各分野で最先端の成果を、より少ないトークンと低い推定コストで達成すると説明されている。公開ベンチマークでも、長期的なプロフェッショナルワークフローを測るAgents’ Last Examで53.6、Artificial Analysis Coding Agent Index(最大推論)で80、エージェント型ブラウジングのBrowseCompで92.2%といった高い水準が報告されている。

難度の高い分析・コード設計・専門調査など、正確さと深い推論が求められるタスクが主戦場だ。上位プランでは、既定でSolが割り当てられる。

GPT-5.6 Terra — 日常業務向けのバランス型

Terraは、GPT-5.5に匹敵する性能を低コストで提供する、日常業務向けのバランスモデルだ。要約・下書き・翻訳・一般的な調べものなど、日常的なタスクの大半はTerraで十分にこなせる。無料版・Goプランのユーザーは、ChatGPT WorkやCodexでこのTerraを利用できる。

GPT-5.6 Luna — 最速・最低コスト

Lunaは、モデルファミリーの中で最も高速かつ低コストな層だ。OpenAIによれば、GPT-5.5のピーク性能に近い水準を、より低いコストで実現するという。大量のリクエストを高速にさばきたい場面や、コストを最優先したい用途に向く。

GPT-5.6 Sol Pro — 最上位設定

Sol Proは、Pro・Enterpriseプランで選べる最上位の設定だ。複雑なタスクで特に高品質な結果を得たい場合の選択肢になる。日常用途で常用する必要はなく、「ここぞ」という難問に絞って使うのが合理的だ。

モデル層と推論レベル — どう組み合わせるか

ここまでで3層の性格を把握した。実際の選択では、モデル層と推論レベルの組み合わせで考える。

推論レベルは「考える深さ」のダイヤル

同じモデルでも、推論レベルを上げるほど、内部で推論ステップ・代替案の検討・検証を重ねる時間が増える。その分、応答は遅くなり、トークン消費も増える。逆に軽いタスクで高い推論レベルを指定しても、遅くなるだけで品質が劇的に上がるとは限らない。

目安は次のとおりだ。

  • 軽量タスク(要約・文体調整・軽い質問) → Terra/Luna+低〜中程度の推論レベル
  • 複数条件が絡む意思決定・コード設計・数学的な問題 → Sol+高めの推論レベル(highxhigh
  • 腰を据えて検証まで回したい難問 → Sol+max
  • 負荷の高いタスクを並列処理で加速したいultra(対応プランのみ)

maxとultraはどこで使えるか

maxは、ChatGPT WorkおよびCodexでGPT-5.6にアクセスできるすべてのユーザーが、設定で有効にできる。ultraは対象が絞られており、ChatGPT WorkではPro/Enterpriseユーザー、CodexではPlus以上のプランで利用できる。APIでは、開発者がResponses APIのマルチエージェント(ベータ)を使って、ultraのような並列実行を構築できる。

プランとモデルの対応 — 無料・Go・Plus・Pro・Business・Enterprise

どのモデル層・推論レベルを選べるかは、加入しているプランによって変わる。OpenAIが公表しているロールアウト時点の対応は、おおむね次のとおりだ。

プランチャットの既定選べるモデル層max / ultra
Free(無料)Terra(ChatGPT Work・Codex)Terra 中心
GoTerra(ChatGPT Work・Codex)Terra 中心
PlusSol(中程度以上の推論)Sol / Terra / Lunamax可(ultraはCodexのみ)
ProSol / Sol ProSol / Terra / Lunamax・ultra可
BusinessSolSol / Terra / Lunamax可(ultraはCodexのみ)
Enterprise / EduSol / Sol ProSol / Terra / Lunamax・ultra可

要点を整理すると:

  • チャット(通常のChatGPT)では、Plus・Pro・Business・Enterpriseユーザーが中程度以上の推論設定でSolを利用できる。Pro・EnterpriseユーザーはSol Proも選べる。
  • ChatGPT WorkとCodexでは、無料版・GoユーザーがTerraを利用できる。Plus以上のユーザーは、Sol/Terra/Lunaから選び、それぞれに推論レベルを設定できる。

なお、無料版・Goの「通常チャットでの既定モデル」については、OpenAIの公表情報ではChatGPT Work・Codexでの提供(Terra)が明記されている一方、通常チャットでの割り当ては明示されていない。上表のFree/Go行はこの点を踏まえた整理であり、実際の表示は公式プランページで確認してほしい。

上の表はロールアウト開始時点の整理であり、地域・アカウント・時期によって差がある。プランごとの正確な対応と料金は、OpenAI公式の料金ページで確認してほしい。各プランの機能比較はChatGPT無料版・Plus・Pro・Businessの違いと選び方で詳しく整理している。

旧モデル名に惑わされないための整理 — retiredスケジュールと世代の移り変わり

ChatGPTに詳しい人ほど「GPT-4oで試したら良かった」「Instantで十分だった」という経験を持っているはずだ。しかしモデル体系は短期間で何度も更新されており、古い呼称の多くはすでに選べない。

世代の移り変わりとretired一覧

直近では、2026年7月13日にGPT-5.6が登場し、GPT-5.5(Instant/Thinking/Pro表記)は前世代となった。GPT-5.5がいつ完全に提供終了するかは本記事時点で公式に明示されていないが、OpenAIはセーフガードとの兼ね合いで、より能力の低いモデルへ簡単に再試行できるフォールバックを残す方針を示している。過去のretired実績は次のとおりだ。

モデル名Retired日状態
GPT-4o2026年2月13日確定済み・提供終了
GPT-4.12026年2月13日確定済み・提供終了
GPT-4.1 mini2026年2月13日確定済み・提供終了
o4-mini2026年2月13日確定済み・提供終了
GPT-5 Instant(旧称)2026年2月13日確定済み・提供終了
GPT-5 Thinking(旧称)2026年2月13日確定済み・提供終了
GPT-5.12026年3月11日確定済み・提供終了
GPT-5.5(Instant/Thinking/Pro)未定(2026年7月13日にGPT-5.6へ世代交代)前世代・提供状況は要確認

この表はOpenAI公式ブログおよび公式ヘルプの情報をもとにしている。retiredスケジュールは変更される可能性があるため、最新は公式ヘルプで確認してほしい。

古い記事では「GPT-4oを選べ」「Instantで軽量タスクを処理すべき」といった記述が多く残っている。しかし2026年7月現在では、「Sol / Terra / Luna」×「推論レベル」の2軸で考えることが、混乱を避ける最短ルートだ。

まとめ — 自分の用途に合ったモデルを選ぶ3ステップ

本記事では、GPT-5.6世代のモデル選択を整理した。最後に、判断フローを提示する。

ステップ1:自分のプランを確認する

無料版・GoではTerraが中心になる。Sol(および高い推論レベルやSol Pro、ultra)を使いたい場合は、Plus以上のプランが前提になる。

ステップ2:タスクの重さでモデル層を選ぶ

  • 要約・下書き・翻訳・軽い質問 → Terra(またはLuna)
  • 複雑な推論・コード設計・精度が求められる問題 → Sol
  • 特に難度の高い問題で最高品質を狙う → Sol Pro(対応プランのみ)

ステップ3:推論レベルを合わせる

  • 軽いタスクは低〜中程度に抑えて速く回す
  • 難問はhighxhigh、腰を据えるならmax
  • 並列処理で加速したいときはultra(対応プランのみ)

冒頭で「モデル選択は大きく変わった」と書いた。ポイントは、モデルの選択が「速度と機能のモード切替」から「モデル層×推論レベルの組み合わせ」へと再設計されたことだ。この2軸を押さえれば、GPT-5.6でも迷わず選べるようになる。

モデルを選んだ後の活用精度をさらに上げたいなら、プロンプトの書き方が鍵になる。ChatGPTで成果を出すプロンプト術では、モデルの性能を引き出す指示文の基本を解説している。

入門ガイドに戻って全体像を掴む

ChatGPTの機能全体を俯瞰したい場合は、入門ガイドから始めるのが最短ルートだ。モデル選択から料金・主要機能・安全性まで一本で整理している。

執筆

AI通信 編集部

AIが社会・ビジネス・日常へ浸透する構造を、官公庁・調査機関・一次論文のデータで追っています。速報より文脈、感覚より数字——変化の「なぜ」を理解することで、次の動きが読める記事を目指しています。

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